悪質ホストクラブへの「売掛金規制」
昨年12月に悪質ホストクラブへの「売掛金規制」のために、警察庁が風俗営業法の改正原案をまとめたという記事が出ました。来年の通常国会に改正法案を提出し、放棄の成立をめざすとのこと。
正味の話、この法案が成立したら、ホストクラブは壊滅すると思う。
しかし、なんで??いきなりこんな本気??「不思議~」と思っていたけれど、
そのアンサーは年明けにきました。
1月10日。女性を違法風俗店に紹介していたなどとして、巨大スカウトグループ「アクセス」リーダーが逮捕されました。
さらに、
警察庁保安課が30年ぶりの「特別捜査本部」の設置
警察庁が特別捜査本部を設置するということは警察庁が各県警と連携して全国体制で動くということです。
警察庁が巨大スカウトグループ「アクセス」の解体を目指す理由
1 匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)
警察が、同グループメンバーがSNS上で偽名を使って活動していたことなどから。「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」と認定したこと。
2 人身売買
全国の風俗店にオークション形式で紹介し、紹介料として女性の収入の約15%を受け取る形式が「人身取引」であること。人身売買は人権侵害の最たるものです。
3 全国組織
巨大スカウトグループ「アクセス」は、島根県を除く46都道府県の約350の風俗店と連携していたこと。日本列島制覇していたんですね。
加えて、風俗ですから反社会的勢力との絡みも考えられるでしょう。
SNSで募集→オークション形式→斡旋というルートの他に、ホストクラブが供給源となって、女の子を斡旋するルートもありました。
トクリュウ、人身売買、全国組織、反社。
警察庁が本気になるのも頷けます。
ここまで、報道内容を図にするとこのようになります。

しかし、これでは、警察庁が「ホストクラブへの売掛金規制」の法案提出に本気で動いている理由が判然としません。わかりやすくするために補助線を加えます。

わかりますか。実態は恐らくこうです。2本の線を足す事により、供給源のホストクラブを絶たないことにはこの犯罪が根絶できないことがわかります。
ホストが女の子の恋愛感情につけ込み高額な飲食をさせ、その支払いのために女性が風俗店で働くよう仕向ければ、女の子はぐるぐると循環しますから、女の子の恋愛感情につけ込めばつけこむほど、ホストクラブが儲かる仕組みができあがっているわけです。
ホストが「売掛制度」を利用して、高額なシャンパン等を煽り、インチキな手書き伝票で途方もない金額を借金として女の子に負わせて風俗で働かせる。
時に脅し、時になだめたりしながら、鵜飼の鵜のように女の子たちを飼いならしているのでしょう。
さらに、初回来店時には、年齢確認のために身分証明がコピーされ、個人情報が抜かれますから、実家だったら住まいが割れてしまいますし、家族に知らされたくない女の子はいやおうなしに風俗に行くしかなくなるわけです。完成されたスキームですね。人として最低だけど。
しかし、こうなると、ホストクラブは単なる供給源には止まらず、スカウトグループと共謀及び共犯関係にあるようにも見えます。
それゆえ、警察庁は本気モードになり、「ホストクラブへの売掛金規制」の法案を急いでいるのではないでしょうか。
当然ながら昨年より「いただき女子りりちゃん」はじめ、ナイトビジネス、とりわけ、ホストクラブについては社会問題化して世論の批判も高まりを見せていることから当然に法案は可決されることでしょう。
気付けば、このところ、「1億円突破」「1億円OVER!」などの文言とともに、PhotoShopで加工しまくったホストの顔写真が貼り付いたアドトラックをすっかり見かけなくなりました。
ホストが女の子に対して恋愛感情を装い、高額なボトルやサービスの購入を促す「色恋営業」や、女の子の競争心を煽り、より多くの支出を引き出す「煽り営業」などの手法はホストクラブ内で共有され、営業マニュアルとして体系化されているようで、ホスト達を集めてホストグループ幹部が熱烈講義をしている動画を見たことがあります。
講師の幹部ホストは「マイケルサンデルの白熱教室」のサンデル教授のように、身振り手振りでジェスチャーをしながら、哲学的な問いを投げかけて、ホストたちと議論するなど、熱のこもった様子で講義をしていました。
ハーバード大ではなくて歌舞伎町の貸会議室で。
さらに、真剣な顔つきで講師を見つめて、手元のノートにせっせとメモするホスト達。
うん。滑稽。
講義の内容は、要約すると、「いかにして女の子の気持ちを惹きつけて、自分の自己実現のために並走させるか」についてでした。
超訳すると、「風俗で稼いできた金をいかにして巻き上げるか」という身も蓋もない話。